Catalinbread(カタリンブレッド)から個性的なエフェクトペダル3機種が発売!
Catalinbread(カタリンブレッド)から個性的なエフェクトペダル3機種が発売になりました。
Bitters(ビッターズ)
特徴
2004年、Alesis社はDJやデスクトップミュージシャン向けのエフェクトシリーズを発売しました。このシリーズはModFXと呼ばれ、基本的に定番のエフェクトを特徴としていましたが、7番目のエフェクトは独自の存在でした。Bitrmanと呼ばれています。
Catalinbread Bittersは、その狂気の回路をもとに、より扱いやすいバージョンです。サウンドスケープの最も暗い部分を占めるBittersは、豊かで扱いやすいエフェクトを作ることも、シグナルをデジタルの混沌にすることもできます。
Bittersはギター、ベースだけでなくシンセ、ドラムマシン、DAWでも機能します。オリジナルにはなかったMixコントロールも備えています。
基本的にBittersはマルチエフェクトデバイスを強化したもので、ディストーションとフェイザー用の独立したノブとユーザーが選択できるプログラムを備えています。このプログラムにはデシメーター、ビットクラッシャー、周波数変調、リングモジュレーターのいずれかになります。ディストーション、フェイザーと4種類の“Bitters”エフェクトは直列で接続されていますが、順序を逆にして“Bitters”を先頭に接続することもできます。
コントロール
- DISTORT:ノブを上げるとゲインが上がる、倍音豊かなデジタルディストーションです。最小にするとディストーション回路はバイパスされます。
- MIX:“Bitters”エフェクトとドライシグナルをブレンドします。最小でドライのみ、最大でウェットのみとなります。
- BITTERS:このノブはPROGRAMノブで選択される機能に依存します。最小にするとBITTERSエフェクトをバイパスします。
- DUAL:深い正弦波のフェイズシフターの速度が上がります。ゆっくりとした甘い音色からフェイザーの限界を超えるような超高速20Hzまで調整できます。最小にすると0Hzとなり、フェイザーがバイパスされます。
- PROGRAM:Bittersエフェクトを選択します。4種類のエフェクトを選択しますが、全て2回ずつ表記されています。これはBittersエフェクトの接続位置を意味します。例えば>>BITの場合、ディストーション、フェイザー、ビットクラッシャーの順に接続されます。RING>>の場合、リングモジュレーター、フェイザー、ディストーションの順に接続されます。
- DEC:デシメーターエフェクト。これはサンプルレートを削減するエフェクトです。エフェクトネームはオリジナルモデルに由来します。インプットシグナルのサンプルレートを下げることでナイキストエリアシング(デジタル特有のノイズ)が発生します。
- BIT:ビットクラッシャーエフェクトです。インプットシグナルの忠実度を1ビットまで下げてデジタルデストラクションを実現します。ノイズも発生しますので、ノイズゲートを通してノイズが抑制されています。
- FM:周波数変調です。ピッチヴィブラートとも呼ばれます。MIXと組み合わせることでコーラスエフェクトを作ったり、シグナルを破壊するようなサウンドを作ることができます。
- RING:リングモジュレーターです。宇宙のノイズのように聞こえますが、控えめなリングモジュレーターは高速トレモロです。これによりインプットシグナルとキャリア周波数を基準として新しい周波数が加わります。
BittersはスタンダードなセンターマイナスDC9Vアダプターで駆動します。電池はお使いになれません。
Montavillian Limited Edition (モンタビリアンリミテッドエディション)
特徴
Catalinbread Montavillian Limited Editionは、生産完了となったMontavillian Echoの限定復活バージョンです。
●Montavillian Echo
数々のチューブエコーが姿を消した今、Montavillian Echoがあの音を実現します。
Montavillian Echoは、バイパス時のサウンドと、エフェクトON時のドライシグナルが同一となるよう開発を重ね、バー・ブラウン製OPA2134オペアンプを使用することで完成に至りました。
Montavillian EchoはPT2399チップを使用したディレイペダルです。
PT2399はモダンなディレイによく使われていますが、その素直な残響を調整し、Catalinbreadでヒアリングを重ねることで、チューブエコーサウンドを得ることができました。
Montavillian Echoは、「ノイズレスエコー」です。これは、Montavillian Echoのサウンドを作る上で非常に重要な要素です。
ノイズの多いエコーは、魅力的な音色にはなりません。
宇宙空間のような幻想的なサウンドや、地平線を越えていくような無限の残響効果をMontavillian Echoは作り出すことができます。
コントロール
- TIME:60~600msの範囲でディレイタイムを調整します。
- CUT:残響音にかける400Hz〜1500Hzのローパスフィルターです。残響の出方を調整します。
- MIX:原音と残響音のバランスを調整します。
- REPEATS:残響音のフィードバック回数を調整します。
Montavillian EchoはDC9-18Vセンターマイナスアダプターまたは9V電池で動作します。
18Vの動作ではより広いヘッドルームを得ることが出来ます。
Zero Point Limited Edition(ゼロポイントリミテッドエディション)
特徴
Catalinbread Zero Point Limited Editionは、生産完了となったZero Pointの限定復活バージョンです。
●Zero Point
Catalinbread Zero Pointは、フランジャーの起源である“スルーゼロフランジャー”を、コンパクトペダルという領域の中で可能な限り再現したペダルです。
スルーゼロフランジャー(Thru Zero Flanger)とは、オープンリールテープとそのコピーを同時に再生した際、2つのテープの再生速度のずれにより、あるポイント(ゼロポイント)で位相がキャンセルされることにより起こるエフェクトです。再生中のオープンリールテープの縁(フランジ)を触れることによって、その摩擦で再生速度を微細に変えることができることからフランジャーという名前が付いたと言われています。
フランジングの起源について、正確なことがわかっているわけではありません。おそらくマルチトラックレコーディングの限界を試そうとした結果、2つのテープマシンが完全に同期できていなかったのかもしれませんし、もしかしたらスタジオでレコーディングなどの作業中、誤ってテープの縁に触れてしまったことがことの起こりかもしれません。もしそうだとしたら、それはマルチトラックレコーディングを多用したレス・ポールか、スタジオで様々な実験を行ったジョン・レノンと、そのプロデューサー、ジョージ・マーティンだったのかもしれません。一般にフランジャーの起源はビートルズだと言われていますが、実際のところは明確になっているわけではないのです。
ことの起こりがどうあれ、それから10年も経たないうちに、電気的な回路によってフランジャーというエフェクトが誕生したことは事実です。
電気的なアプローチによるフランジャーエフェクトはとても素晴らしい物でしたが、80年代にあまりにも多用されすぎてしまいました。Catalinbreadでは、フレッシュなフランジャーを作るため、スルーゼロフランジャーをよみがえらせることにしました。そしてCatalinbreadは、元来のフランジャーの仕組みと効果を知り尽くしていました。
Zero Pointは、かつてスタジオでオープンリールテープを触って起こしていた操作に最も近づいたフランジャーペダルです。本来のスルーゼロフランジャー同様、Zero Pointは“リアルタイムエフェクト”です。多くのモジュレーションエフェクトとは決定的に違います。そこにはLFOも、設定どおりのアップダウンスウィープもありません。80年代に使い古されてしまった“フランジャーエフェクト”とは全く違います。
だからこそ、Zero Pointにノブやトグルスイッチは必要ありません。両手で楽器をプレイしながら操作できるコンパクトペダルとして進化していますが、当時のスルーゼロフランジャー同様、テープの縁を押す、それが唯一のコントロールとなるのです。
Zero PointをONにすると、2つのディレイラインが有効になります。片方のディレイにうっすらとモジュレートをかけることで、2つのテープマシンを同時に動かした時に生まれるコムフィルタをシミュレートします。そして、モメンタリースイッチの“Flange Push”スイッチを押し、そのままホールドすると片方のディレイラインが、もう片方のディレイに対してゆっくりとタイムシフトし、シグナルがキャンセルされるまで動きます。位相がキャンセルされるゼロポイントを作り、Flange Pushスイッチをリリースすればまた元のディレイラインに戻ります。まさに古いレコードで聴いた、不思議な感覚になるスルーゼロフランジャーです。今となっては、オープンリールテープを使わない限りレコーディングでも聴くことができなくなってしまいましたが、Zero Pointにより、またあの音を手軽に聴くことができるようになりました。
Zero Pointは、電源が入るとアディクティブモード(正位相)となり、位相をキャンセルせず、テープライクなアナログトーンのまま、強すぎないフランジャーをかけることもできます。Flange Pushスイッチを押しながら電源を入れるとZero Pointはインバーテッドフェイズモード(逆位相)となります。これは位相をキャンセルすることでよりドラマティックな効果を作るサブトラクティブフランジモードです。必要な音色に合わせて設定することができます。
エフェクトの接続順には制約が無く、自由にルーティングをすることができますが、Zero Pointは、まずは特にお好みの歪みペダルの後に接続してみてください。Zero PointをONにすると、オープンリールテープの持つコンプレッションとテープライクなハーモニクスが加わります。そして同時に、本物のテープマシンのモーター動作にムラがあるように、ほんの少しの揺れが加わります。
そしてFlange Pushスイッチを踏んでプレイすれば、このペダルがただのフランジャーではないことが分かります。このペダルは、まさにパラダイムシフトを起こそうとしています。誰しもが必要とするペダルではないかもしれませんが、当たり前だと思われていたフランジャーを元の姿に戻し、それが全く新しい自分だけの音色を創造する、それがZero Pointフランジャーです。
コントロール
- ON/OFFスイッチ(機械式フットスイッチ):エフェクトのON/OFFを切替えます。
- Flange Pushスイッチ(モメンタリースイッチ):フランジャーのスウィープを動かします。フットスイッチを踏むと、フランジエフェクトのスウィープが昇りはじめます。フットスイッチを離せば、スウィープが下降します。
- Gainトリムポット:Zero Pointの全体のゲインを微調整します。
クイックスタート
Zero Pointをエフェクトチェーンの最後に設置し、特に歪みエフェクトと併せてお使いいただくと効果的です。ONにするとオープンリールテープを使用してレコーディングをしたような独特のコンプレッションと倍音成分、オープンテープデッキのモーターのゆらぎのような薄いモジュレーションがかかります。さらにFlange Pushスイッチでフランジャーをかけることができます。
Zero Pointのフランジャーは全帯域を薄くスウィープするもので、Flange Pushスイッチを踏む度に違った表情を見せます。通常のプレイだけでなく、ベンドやアーミングなどと組み合わせてみてください。