【2022年春版】ベース用プリアンプカタログ
2022年になって、ベース用プリアンプジャンルが賑わっていると思いませんか?
発売前から話題だったアーティストシグネチャーモデルや、中古市場でも品薄となっていたモデルのNEWバージョンが発売されたりと、何かとトピックが多いですよね。そこで! 以前もまとめましたが昨年〜年明けに登場したニューモデルを紹介していきたいと思います。
なかには「こんなのもあったんだ!」的な珍しいモデルも含まれますので、定番や注目モデル以外も、ひと通りチェックしておきましょう!
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Sadowsky:サドウスキー SBP-1 SBP-2
ニューヨークのスタジオサウンドの代名詞として歴史のある「Sadowsky:サドウスキー」。ベース本体にオンボードされているプリアンプをペダル化したものが「SBP-1」と「SBP-2」です。
Vol、Treble、Bassと3つのツマミのシンプルなコントロールですが、オンにするだけで「あの」サウンドがカンタンに得られることから、迷いの無い音作りができるところがポイントです。
SBP-1は2つのフットスイッチによってミュート機能(チューナーアウト付き)も可能。チューナーを本線に挟むこと無くチューニングができる便利さで、エフェクトボードの最後に配置しラインアウトする使い方がオススメ。オンオフスイッチのみのSBP-2は、エフェクトボードの順序にこだわりたいベーシスト向けといえるでしょう。両ペダルとも比較的リーズナブルなのも注目ポイントです。
ちなみにTreble、Bassは、+18dbのブーストのみとなっていて、絞りきりがフラットの位置となります。それぞれ4kHzと40Hzの使いやすい周波数帯で音作りもしやすいでしょう。
TECH21 SansAmp BASS DRIVER DI-J
「サンズアンプ」といえば、ベースドライバーが多くのベーシストにとってもスタンダードなサウンドでしょう。長きに渡り愛されるそのサウンドは、聞けば安心するそのディストーションサウンドにあります。
そのベースドライバーに、日本人アーティスト初となるシグネチャーペダルが登場しました。LUNA SEAのJ氏のモデルとして、スペシャルなグラフィックが施されています。ステージで存在感を放つスピーカーキャビネットに描かれたマリア像のイラストレーションがペダル全体にデザイン。セッティングの記録や保護用途としても使えるサイン入りアクリルプレートも付属します。
機能はベースドライバーV2に準じており、サウンドなどのモディファイは行われずオリジナル同様のサウンドで、過去に使っていたベーシストにも手に取りやすいペダルに仕上がっています。ミドルとベースの周波数帯をシフトさせることができ、多弦などイマドキのベースにも余裕で対応してくれる頼もしい存在です。
通常の歪みペダルとして、またプリアンプとして、さらに「サンズの音」をラインで送れるアンプシミュレータ的存在として、多くのシチュエーションに対応します。
Darkglass Electronics ALPHA OMEGA PHOTON
フィンランド発のベースギアブランドといえばダークグラス(Darkglass Electronics)。歪みペダルやアンプヘッド、IR(インパルスレスポンス)が使えるプリアンプと、攻勢を緩めません。昨年登場したADAMの機能にも驚かされましたが、暮れに登場した「ALPHA OMEGA PHOTON(フォトン)」も、まさに死角ナシ! といった機能満載のプリアンプです。
機能をみていくと、コンプ、ドライブ(α〜Ωノブ)、クリーンサウンドと歪みサウンドのブレンド、タッチセンシティブスライダーによるEQ、AUX in、ヘッドフォンアウト、USB-C端子(オーディオインターフェース機能)、D.Iアウトプット、2系統のバランスドアウトプット(フォーン端子)と、充実した入出力によって、どのような用途においても余裕かつ高音質で対応してくれる安心感が備わっています。
USB端子経由でPCと接続すれば、より詳細にサウンドを追い込める「Darkglass Suite」も使用可能。ライブでは3つのスイッチによる多彩なサウンドパターンの呼び出し、リアルな歪みサウンドをダイレクトにPAに送ることができます。外観から想像つくことはほとんど実現するといって良いペダルに仕上がっています。
PHIL JONES BASS PE-5
高音質なベースアンプで、ジャズからロックまでジャンルレスな人気を博しているフィル・ジョーンズ。今回登場した「PE-5」は、D.i機能はもちろんのこと、5バンドEQやミュートスイッチを装備したプリアンプです。
さらにインプットはピエゾピックアップ対応の高感度入力に対応し、エレキベース以外の楽器にも対応します。もう一つエポックメイキングな特徴として、リチウムバッテリー内蔵が挙げられます。USB端子から充電をしておけば外部電源を引かずに満充電で約8時間ほど駆動させることができます。エフェクトボードをスッキリさせたい、かつ音質にはこだわりたい人向けのプリアンプといえます。
One Control BLUE 360 AIAB
コンパクトな筐体に本格サウンドが詰まっているワンコントロールから、モデル名からも連想できるアコースティック製のプリアンプ”360”とパワードキャビネット”361”のサウンドをエミュレートしたプリアンプが登場しました。
「-18dbモード」によって、いかなる特性のアンプに接続してもアコースティックサウンドをエミュレートすることが可能となっています。エフェクターボードの中でもスペースを稼ぐことができますが、その存在感の大きさがこのペダルの特徴です。
まだまだある!ベースプリアンプ
注目したいペース用プリアンプは、まだまだあります。聞き馴染みのない人もいるかもしれませんが、これを機に注目してみてくださいね。
WEEHBO Guitar Products Tackleberry
Shift Line Flex Tube Bass Preamplifier
かわいい番外編!
Effects Bakery Maritozzo Bass EQ
まとめ
ペース用プリアンプというジャンル、近年では新しい技術によってより自由度が増したものや長らくスタンダードな存在感を有しているロングセラーなど、じつに多彩ですよね。
自宅・ライブ・レコーディング・配信、それぞれのシチュエーションに適した設計思想が垣間見られる楽しさもあります。「どれが最高か?」と理想の1台を追い求めるよりも、場面によってマッチするものを複数台用意して使い分けてみるのも良いかもしれません。
たとえば大元のクリーンサウンドは好きなメーカーのプリアンプ、その前段に歪み機能付きのプリアンプの組み合わせをしてみるなどなど……。D.I機能があるモデルはペダルボードの一番最後に置いて、ラインサウンドをキッチリ作り込んだ上でステージアンプに送るといった具合に。あるいはライブで複数のベースを使用する際にも、それぞれの特性を活かした切替えをしてみるのも良いでしょう。
まだまだ2022年も新しいペダルが登場していくと思いますので、常にチェックして皆さんにフレッシュなペース用プリアンプ情報を伝えてまいりますので、お楽しみに!
(記事制作:赤坂太一)