はじめてのエレキギター弦交換 〜LP(レスポール)編
自分で出来る! はじめての弦交換!!
こんにちは! 井戸沼尚也です。
はじめてのギターを手に入れて早数ヶ月。弦の交換を楽器店に頼むのも悪くはないですが、ギターライフを長く楽しむためには、自分で弦交換をできるようになっていた方がよいでしょう。
今回は、エレクトリックギターの代表的なモデルの一つであるレスポールタイプを例に、弦交換の仕方を解説していきます。
弦が古いままギターを弾くと上達するのが遅くなることも!?
弦の交換はいつするべきでしょうか?
演奏の頻度と時間、手汗の量や質にもよりますが、毎日少しは弾いているのであれば、大体1ヶ月経ったら交換するというのを一つの目安にしてください。
弦が切れたら交換するというのはあまりオススメできません。弦が古くなってくると次のような症状が出てきます。
- 音に張りがなくなる
- なんとなく、弾き心地が良くない
- チューニングが合いにくい
- なかなかギターが上手くならない(初心者が錆びた弦を使っていると正確なピッチや心地良いビブラートを身につけることが難しくなります)
弦を交換するには、いくつかの道具が必要になりますが(新品弦、チューナー、ニッパー/ストリング・カッター、ギターケア用品など)、レスポールの弦交換をする際にぜひ手に入れておいて欲しいのが、ネックピローです。
レスポールは、ネックの仕込みやヘッドに角度が付いており、そのまま床やテーブルに置くのは非常に危険です(最悪、ネック折れのトラブルにつながることがあります)。必ずネックピローを使って、置くようにしてください。さらにボディエンドも柔らかい布を当てておくと傷もつきにくいでしょう。
交換の前の注意点!
交換用の新しい弦を買う時、次のことに注意してください。
今、張っている弦と同じ太さ(ゲージ)のものを買おう
本当はどんな太さの弦を張っても自由なのですが「初めての弦交換」ということであれば、まずは同じ太さのものを買うのがオススメです。その方が張り替え後の調整が少なくて済むからです。
自分が買ったギターのスペックをネットで調べると、弦のゲージが記載されていることがあります。009-042とか、010-046とか書いてあるのが、それです。分からなければ、購入した楽器店で聞いてみてもよいでしょう。
古い弦を外すところからスタート!
では作業に移りたいと思います。まずは古い弦を外します。
外し方には1本ずつ外して都度新しい弦を張っていく方法と、全部の弦を一度外してしまう方法がありますが、ここではクリーニングのしやすさから全部の弦を外す方法をとります。
外し方ですが、ちまちまと6本の弦を外すのは大変です。ここは豪快にニッパーで弦を切っていきましょう!
その際の注意点は次の通りです。
作業ポイント
- ニッパーは専用のストリングカッターを推奨(刃先が小さく、ボディやヘッドを傷つけにくい)
- 弦を切る前に、ペグを緩める
- できれば、カポタストを使って弦を固定しておく
ペグを緩める、カポタストをつけるというのは、切った時に弦が跳ねて、目や頬などを傷つけるのを防ぐためです。ピンと張った弦を切るとすごいスピードで跳ねますので注意してください。
準備ができたら、弦を切り、切った弦は丸めてまとめておきましょう。
レスポールの場合は全ての弦を切ると、テールピースやブリッジが外れます。これを知らないと故障かと驚きますが、そのような仕様ですので心配は要りません。
弦を切るとテールピースが「ガコッ」と音を立てて外れる場合があるが、心配は要らない
テールピースに加えてブリッジも外すと、後のクリーニングが楽! ただし、初めての弦交換ではブリッジ部分のリングには極力触らないように気をつけよう(弦高が変わってしまうため)
おすすめ!弦切り専用ニッパー
指板をきれいにしよう!
弦を張っていないギターは、クリーニングの絶好のチャンスです。日ごろ拭きにくいヘッド部分やピックアップの周り、そして指板をきれいにしましょう。特に黒っぽいローズウッド系の指板の場合、指板面は塗装されていませんのできれいにしておきたいところです。
作業ポイント
- まずは指板全体を乾拭き
- オレンジオイルなどのクリーナーで汚れを拭き取る
- フレットの際は綿棒を使ってきれいに
- 仕上げにワックスを塗れば、指板の艶や指滑りの良さが持続
初めての弦交換で指板はそこまで汚れていないかもしれません。しかし指板をきれいに保つクセをつけておくと、ギターライフを長く快適に過ごせますよ! またオイルの使用は保湿効果もあり乾燥から木を守ってくれます。
メンテナンスアイテムプチカタログ
新しい弦を張ろう! 〜レスポールタイプの場合〜
レスポールの場合は、ストラトキャスターとは弦の巻き方が違います。通称“ギブソン巻き”とも呼ばれる、弦をロックして巻く方法は多少の慣れが必要です。
ぜひ写真、それと動画も参照してチャレンジしてください(SGやES-335も同様です)。
まず弦を張る前の準備ですが、ペグの穴の位置を揃える、新しい弦をパッケージから出しよじれを取るという動作はどのギターも共通です。
弦は6本全部テールピースに通しておいてください。そのうちの1本をペグ側に引っ張って、巻き付けるのですが、コツが要ります。文章ではかなりわかりにくいので、写真や動画をよく見てください。
まずは6〜4弦を張っていこう
作業ポイント
ペグ穴を通して、だいたいペグ1個分先のところで軽く折り曲げ、曲げたところをペグ・ポストに戻す。
作業ポイント
ヘッドの先端側に飛び出した弦を後ろにおりかえし、弦の下に潜らせ外側に出す。
作業ポイント
外側に出した弦の先端を、おり返して弦をロックする。
作業ポイント
テンションをかけながら、ペグを回していく。
ネック側の弦にテンションをかけながら(引っ張りながら)ペグを回す。弦がペグの柱に1周巻きついたら、2周目以降は下側に巻きつけていく
わかりましたか? ちょっと難しいですよね?
繰り返しになりますが、ぜひ写真をよく見て動画も参照してくださいね。
このようにして、6弦から4弦まで張っていきます。
ここからはさらに以下の点にも注意が必要です。
3〜1弦は巻く方向に注意!
作業ポイント
6〜4弦と3〜1弦は、ペグポストの配置上、ロックする方向が逆になる。
これも、この言葉を理解しようとするより写真と動画をチェックした方がわかりやすいでしょう。
このようにして3〜1弦まで張っていきます。
この段階ではまだチューニングはしなくてよいので、これで一応、6本すべての弦を張り終えたことになります。
動画をチェック
あらためて、最初から動画にもしてみましたので記事とあわせてご覧ください。
チューニングをして終了!
さあ、なんとか新しい弦を張ることができましたか?
ではチューナーを使ってチューニング(チューニングも奥が深いのでまた今度)をしてください。
作業ポイント
一度チューニングをしたら、テンションをかけて弦を伸ばし、もう一度チューニング。これを何度か(決まりはありませんが、とりあえず3〜4回を一つの目安にしてください)繰り返す。
本当はこのあとで、オクターブ・チューニングなどの少し難しい調整が必要になりますが、初めての弦交換でそこまでこなすのは至難の技です。
そこで冒頭にお伝えした「同じ太さの弦を張る」ことで、今回はこの部分は割愛するということです(本来はやるべきですが、あえてハードルを下げています)。
いかがでしたか? 文章で読むと結構複雑ですが、慣れてくるとそうでもありません。
何事も初めての時は難しく感じるものですが、臆せずに挑戦してみてくださいね!
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よくある質問
ギターの弦交換のよくある質問はこちらをチェック!
新しいギター弦、ストリングカッター(ニッパー)、ストリングワインダー(推奨)。
アコースティックギターの場合は上記に加えて、ブリッジピン抜き(ピンプラー)も持っておくと良いでしょう。
D’Addario(ダダリオ)、Ernie Ball(アーニーボール)、Elixir(エリクサー)、YAMAHA(ヤマハ)などが定番です。
この他にもGHS(ガス)、Rotosound(ロトサウンド)、SIT Stringsなども人気です。
演奏頻度や手汗の量、使用する弦の種類によっても異なりますが、2週間から1ヶ月程度に1回が目安です。
最近のレスポールタイプギターに貼られている弦は「0.10-0.46(10-46)」が一般的です。
ギターを構えたときに上から6弦、5弦、4弦、3弦、2弦、一番下にあるのが1弦です。