プレベとジャズベの違いってどんなん? はじめてのエレキベース選び!!

初めてのベース選び。プレベとジャズベ、何が違うの?
プレベとジャズベ、なにが違うん?

すでに、エレキベースを購入して楽しんでいる人も、いままさに最初の1本を選ぼうとしている人も、エレキベースのスタンダードにして王者的存在感を放つ「Fender:フェンダー」を避けては通れません。

また市場に存在している多くのエレキベースが、フェンダーから影響を受けているといっても過言ではありません。

そこで今回、約70年前に登場し、現在もほぼ変わらぬ姿で生産され続けているフェンダーの2大巨頭である「プレシジョンベース(通称プレベ)」と「ジャズベース(通称ジャズベ)」について、それぞれの特徴を紹介していきます。

もちろん「コッチがカッコいいな!」というインスピレーションで選んでも全然OK!

それぞれの特徴を知って、お気に入りの1本を探してみてください!

プレシジョンベースとジャズベースを並べるとこんな感じ

写真左がプレシジョンベース(通称プレベ)、右がジャズベース(通称ジャズベ)
左がプレシジョンベース、右がジャズベース

フェンダーには様々なグレードが存在している

プレベとジャズベのボディ部比較。ボディのウエスト部から下部にかけて違いがあります。
ボディ外周の形状に注目。特にウエスト部に違いがある。

現在、フェンダー社では現行モデルとして、USA、メキシコ、日本と主に3つの国で生産されており、それぞれシリーズ名があります。「American〜」、「Made in Japan〜」と表示されていることから原産国を判別できます。

シリーズによって使用されている木材やパーツの種類が違い、価格帯も違います。やはりUSA製が一番高価格帯となっています。さらに上をゆく”カスタムショップ”という部門もあり、その中でもマスタービルダーと呼ばれる職人たちが1本ずつ仕上げるスペシャルなギター・ベースも存在します。

1951年に最初のプレシジョンベースが発売され、60年代、70年代と生産されてきた中古ギター・ベースは、いわゆる付加価値を持つヴィンテージとして流通しており、世界中のコレクターやマニア、プロミュージシャンが良い個体を探し求めています。相場も年々高まりを見せており、数百〜千万円もの値段をつける個体もあります。

では少し長くなりましたが、プレシジョンベースとジャズベースを見比べていきましょう。そうそう、それぞれ「プレベ」と「ジャズベ」と略されて呼ばれることがありますが、これ以降はその名称でいきますね。

プレシジョンベース全景

プレシジョンベースの全体像
プレベの全景

プレベは、ボディの中央に互い違い(スプリット)になったピックアップ(弦の振動を広うマイクのようなもの)が1基搭載され、全体的にシンプルなベースです。

最初からこのルックスだったわけではなく、登場した1951年から1957年まではギターのテレキャスターのようなルックスでした。

1958年より今回紹介するモデルのような見た目に落ち着き、いわゆるプレベといえばこの形を指すようになりました。

ちなみに、記事内で紹介しているプレシジョンベースは「Fender Made in Japan Traditional 60s Precision Bass RW 3TS」です。

ジャズベース全景

ジャズベースの全体像
ジャズベの全景

ジャズベは、プレベの上級機種として1960年に登場し、ボディのくびれ位置がズレた形状のオフセットボディが印象的なベースです。

ピックアップもシングルコイルのものを2つ搭載し、単独からミックスとサウンドのバリエーションも楽しめるモデルとなっています。

細かく見ていくとネックの幅もプレベより細く、弾きやすいことが特徴です。後述しますが、登場した初期はボリュームなどを調整するツマミの数や配置が写真のモデルとは違う時期もありました。

ちなみに、記事内で紹介しているジャズベースは「Fender Vintera ’60s Jazz Bass PF 3TS」です。

モデル名に年代が表記されているものは現行商品

2022年においても、60年以上前の形状・仕様を、ほぼそのまま継承しているフェンダーのベースですが、発売当初から正式な商品名は「PRECISION BASS」と「JAZZ BASS」だったわけです。
現代では、その当時の年代の細かい仕様を踏襲していることもあり、商品名に「50s」「60s」「70s」と、それぞれの年代が与えられています。

逆をいえば、モデル名に年代が表記されている場合は、現行商品というわけですね。

プレベとジャズベの違い(1) ボディシェイプ

ジャズベとプレベのボディ形状の違い

大きな違いはその見た目。弦の向きに対して均等に張り出したボディがプレベ、くびれの位置が左右で違い、斜めに広がったような形状がジャズベです。これは弾き心地に違いがあります。座って弾く場合、くびれの位置が違うことで、構える姿勢にも影響してくるでしょう。とはいえ、どちらにもそれぞれ違うカッコよさがありますので、好みのボディシェイプを起点に選んでいくのも良いでしょう。

プレベとジャズベの違い(2) ピックアップ

ボディの中央にある黒い物体は、弦振動による磁界の変化を感じ取り集音する「ピックアップ」とよばれるマイクです。

ピックアップ本体には、各弦をまたぐように2つのポールピース(棒)が配置されているのが特徴的ですね。中には金属製のワイヤーが巻かれており、弦が弾かれるとその音を拾い、ジャックからシールドケーブルを介して、アンプへ出力される仕組みになっています。

プレベは2弦ずつユニットが配置されている「スプリットタイプ」と呼ばれるものが搭載されています。

プレベのピックアップはスプリットタイプが1基搭載
プレベはスプリットタイプ

ジャズベはシングルコイルタイプを2基搭載し、フロントとリアそれぞれのポジション、もしくはミックスポジションのサウンドを楽しめます。
ボディ側で弦を固定する役割であるブリッジ側のリアピックアップはエッジのある硬めのサウンド、ボディの中央にあるフロントピックアップは柔らかく低音の効いたサウンド、これらを好きな配分で弾くことができるのがジャズベの最大の特徴でしょう。

ジャズベのピックアップはシングルコイルが2基搭載
ジャズベはシングルコイル×2

プレベとジャズベの違い(3) コントロール系

フェンダーのベースには、ボリュームなどを調節できるツマミがあります。プレベには2つ、ジャズベには3つのツマミがありますが、「ピックアップの数+マスタートーン」という構成になっています。

プレベは、ピックアップが1つなのでボリュームが1つ、それにマスタートーンとなります。トーンは絞っていくと高域がまろやかに減衰し、コモったような音質になります。

プレベのコントロールは1ボリューム、1トーン
プレベはツマミが2つ。ボリュームとトーン

ジャズベは、フロントとリアのピックアップそれぞれのボリュームをコントロールできます。いわゆる「2ボリューム1トーン」と呼ばれます。時代によっては一つのツマミが2段になったスタックノブが2つという仕様もありました。

ジャズベのコントロールは、2ボリューム、1トーン
ジャズベはツマミが3つ。各ピックアップのボリュームとトーンという構成

プレベとジャズベの違い(4) ネック(ナット)幅

上がプレベのネック、下がジャズベのネック
上がプレベのネック、下がジャズベのネック

実は、大きな違いでもあるのがネックです。弦の長さ(スケール)も本数も同じで、一見同じに見えますが幅が違います。ナットと呼ばれる開放弦(何も押さえない箇所)の場所で、プレベは約44mm、ジャズベは約38mm。ジャズベの方がスリムですね。

幅だけが弾きやすさを決めるわけではなく、厚さや形状といった要素も絡んできます。

プレベとジャズベの違い(5) それぞれのメリット・デメリット

似ているようでぜんぜん違うプレベとジャズベ。それぞれ好みはあるけど、弾く前に知っておきたいメリットやデメリットを踏まえた上で購入に至りたい人もいるでしょう。それぞれどんなメリット・デメリットがあるかを挙げてみました。

プレベの音の太さ

プレシジョンベースは、一つのピックアップと太いネックから出る力強いサウンドが魅力です。しかし手の小さい人にとっては引きづらさを覚えるケースもあるでしょう。またバリエーションに富んだサウンドを作ろうとしても、弾き方を工夫する必要があります。それでもガッツのある太いサウンドは代えがたい魅力があります。

ジャズベの多彩さ

ジャズベースの魅力は、スリムなネックによる弾きやすさと、2つのピックアップからなるサウンドバリエーションの豊富さです。フロントピックアップではプレシジョンベースに似た太いサウンド、リアピックアップのみだとエッジの効いた硬質なサウンド、それらをミックスさせると良いとこ取りをした洗練されたサウンドを出すことができます。デメリットはなかなか見当たらないのですが、あえて挙げるとすれば、ピックアップをどちらかに振り切った場合にノイズが出やすい構造だということでしょうか。

プレベとジャズベの違い番外編 ボディ・ネック材の話

今回は詳しく説明しませんが、ボディやネックに使用される木材について。

多くのモデルにはボディ材にアルダーアッシュそしてバスウッドなどが選ばれ、ネックには主にメイプル材が使われています。ネックの指板材にはローズウッドや、ネック同様にメイプルが貼られていることが多く、前者は茶色、後者は白っぽい指板で判別することができます。

近年、世界的な木材価格の高騰により、リーズナブルなグレードには代替材が選ばれるケースも増えています。

今もなお進化し続けるスタンダードな存在

フェンダーのプレシジョンベースとジャズベース

細かすぎる仕様違いが存在する

プレベとジャズベの違いについて説明してきましたが、年代(主にヴィンテージと呼ばれる時期)による細かい仕様違いが存在し、稀に現行モデルにも採用されています。

ヘッドのロゴマーク、チューニングキー(ペグ)、ポジションマーク、ブリッジ、ピックアップの位置など、年代によって、実に多くの種類が存在しています。そんな歴史あるベースが今も新品として購入できることにロマンを感じませんか?

プレベ・ジャズベと呼んで良いのはフェンダーだけ

それと、巷ではあらゆるベースを「プレシジョンベース」や「ジャズベース」と呼ぶことがありますが、そう呼べるのは正式な商品名として使用している「フェンダー」とスチューデントブランドの「スクワイア」だけです。

他のメーカーの商品名には別の名称が名付けられており、いわゆる「PBタイプ」「JBタイプ」「Pタイプ」「Jタイプ」とインスパイアされている状態で、リスペクトされている結果ともいえます。

本物はフェンダーだけ。ですが、そうした他メーカーのベースも独自のエッセンスが加えられており、多彩なベースの世界を生み出している、ということです。

まずは「本物」を、ということで、フェンダーのプレベとジャズベを紹介してきました。

フェンダーは多彩なグレード展開があり、どの価格帯も最初の1本としても長く付き合えるものばかりです。

予算に合わせた中から最適なベースを見つけられるはずです。

ぜひチューヤオンラインで、最初の1本を探してみてくださいね!

カッコいいと思うものをどうぞ!

(執筆&撮影:赤坂太一