カポの基本・カポの使い方をおさらいしよう&ミニカタログ2023年版
カポタストは、ギターの指板(ネック部分)を”かぽっ”と挟んでいるバーのようなもの。
略称のカポの方が馴染み深い方も多いのではないでしょうか。
今回は「カポってなあに?」というギター初心者やカポをまだ使った事のないカポ初心者の方向けにカポタストの使い方や付け方、どんな種類があるのかを解説していきたいと思います。
「弾き語りで原曲のキーだと歌いづらい」、「なんだかよくわからないけどカッコいいから使ってみたい」などなど、便利に使える場面の多いアイテムですので、当記事を読んで「カポとはなんぞや?」をクリアしましょう!
そもそもカポとは?
まずはカポタストについて簡単に解説していきましょう。
カポタストの名前の由来
カポタストは、イタリア語で指板の頭・先端を意味する “capodastro、capo tasto、capotasto” が由来と言われています。
カポタストの取り付け方、使い方
市場には、数多くのカポが存在しており、弾く場面によってベストなカポが変わります。
カポは指板のフレットとフレットの間に挟み込むバーのような形状をしており、装着すると“F”のコードを押さえたときの“セーハ(1本指で同フレットの全ての弦を押さえる)”の状態になります。
カポを装着した箇所が0フレットとなり、フレットが進んだ分、開放弦の音階が上がります。2フレットに装着すれば1音上げ状態、というわけですね。
それではカポの付け方、カポの使い方を簡単に見ていきましょう。まず2フレット(1フレットと2フレットの間)にカポを装着してみます。
カポが2フレットに装着された状態でローコードの“E”のかたちで押さえれば、G♭となるわけです。これは、人さし指をセーハのかたちで押さえなければならないG♭が3本指で済む(Eの押さえ方)ということです。
どんなタイプがあるの?
カポには「クリップタイプ」や「ネジ式」といったいくつかの種類があります。材質も金属製や樹脂製、また布製と種類も多く、材質の違いによる音質の変化もあります。
また、タイプによって付け方が若干違います。
ここからはタイプ別に特長をみていきましょう。
いくつかあるタイプを比較して自分にあったカポを探してみてくださいね。
クリップ式(バネ式)
クリップ式やバネ式と呼ばれるバネの力で挟み込むだけのタイプ。
ポジションの移動が多い方に愛用者が多いカポタストのど定番です。
このタイプは着脱が手軽で、使用しない時はギターのヘッド等に挟んでおき、曲中の必要な時にだけ取り付けると言った事が簡単にできます。
バネのテンションのみで挟み込むので、締め付ける力の調整ができない点やネックの形状によってはチューニングが不安定になる事があります。
Kyser(カイザー)などが代表的です。
長所 | 短所 |
---|---|
着脱が簡単 | 押圧の微調整ができない |
使わない時はギターヘッドなどに付けておける | ネックの形状によってはピッチが不安定にある場合がある |
ネジ式(スクリュー式)
ネジ式、スクリュー式と呼ばれるネジで締め込むタイプ。
ネックに取り付けた後にネジで締め込むタイプで、ピッチの安定性の高さが特徴のモデルです。
カポタストを使用する時の弦を押さえる力の強さで若干ピッチ感が変わるので細かなニュアンスにこだわるギタリストには力の加減を微妙に調整できるこのタイプがおすすめ。
締め込み具合の微調整が可能でチューニングや音に安定感がありますが、着脱にすこし時間がかかるので、曲中での着脱、移調には不向きです。
SHUBB(シャブ)などが代表的です。
長所 | 短所 |
---|---|
安定したピッチ | 着脱に少し時間がかかる |
ネジの締め込み具合で弦を押さえる力の微調整が可能 |
ベルト式(ひも式)
ゴムバンドやベルトの力で弦を押さえるタイプ。
ゴムや布といった柔らかい素材を使用しているためネック部分への負担が少なくキズなどがつきにくいのが特徴です。
シンプルな構造なので安価のものが多く、初心者やとりあえずカポがどんな物なのか使って試してみたいという方におおすすめ。
ネックにぐるっと巻き付けて使用する形になるので着脱に少し時間がかかり、ゴム等が伸びてくるとホールド力が落ちてくるのでチューニングの安定性に不安がでてきます。
DUNLOPなどが有名です。
長所 | 短所 |
---|---|
安価なものが多い | 着脱に少し時間がかかる |
シンプルな構造なので初心者にもおすすめ | ゴムやバンドが伸びることでピッチが不安定になる |
レバー式(ギア式)
ネックに取り付けた後、握り込むようにすることで取り付け、レバーを上げるとロックが解除され取り外しができるレバータイプ。
バネ式とネジ式のいいところを組み合わせたようなカポタストです。
慣れれば片手で簡単に着脱でき、必要最低限の力で弦を押さえ込む事で安定したピッチを保ち、微妙な押圧調整もできるので本格的にカポを曲中で使用したい方におすすめ。
性能が良い分、価格もちょっとお高めなので、予算に余裕がある方にはベストチョイスではないでしょうか。
G7th Performanceシリーズが代表的です。
長所 | 短所 |
---|---|
安定したピッチ | 価格が高い |
慣れれば着脱も簡単 | |
押圧の微調整も可能 |
特殊タイプ
上記の他にもちょっと特殊な構造のカポタストも存在します。
各弦ごとに単独でカポのON/OFFを行う事ができる革新的なカポタスト。通常のカポとしてはもちろん、変則チューニングやオープンコードなど多彩なセッティングが可能です。
D’Andrea Spider Capoが人気です。
カポタストのネック側、弦側がローラーになっており、ギターに取り付けたまま指板上を転がして移調する事ができる画期的カポタスト。
面白いですが、使いこなすのに少し慣れが必要かもしれませんね。
さまざまなタイプのカポタスト紹介してきましたが、特殊な物を除いてどのカポタストも基本的な役割や機能は同じです。
カポの付け方は、フレット間の真ん中あたりを意識して、できるだけ各弦に均一に力が加わるように、ビリつきがないポジションに取りけるようにしましょう。
押さえ方で響きや演奏性がかわる。
では「じっさいどんな時につかうの?」ということですが、主にキーを上下させたい場合だと思います。そしてキーは同じでも押さえ方を簡単にできます。あと、ちょっと応用レベルですが曲の途中で転調したい場合にも使います。
また、開放弦には独特なオープンな響きがありますので、音やバランスを追求してカポを使用する場合もあります。
じっさいに装着するとポジションはどうなる?
それではカポの使い方、カポを装着すると押さえ方はどうなるか、簡単な例を挙げてみます。まずは、カポを装着しないでF→C(Ex1)というコード進行があったとします。
そう、Fです。
多くのギター初心者の心を折り、あまたのギターを押入れに眠らせてきた、ギター道最初の大ボス。
弾けないなら弾かなきゃいいんです。
カポを3フレットに装着すると押さえ方がカンタンに!
3フレットにカポを装着すると、曲のキーはそのままで押さえ方を簡単にできます。F-C(Ex.1)だと、フォームが“セーハ”のかたちから入りますが、カポを装着することによって3本指のフォームで済みます。
F(Ex1)
カポを付ける前のFコード
D(Ex2)
カポを3フレットにつけてDのコードを押さえるとFの音になる
C(Ex1)
カポを付ける前のCコード
A(Ex2)
カポを3フレットにつけてAのコードを押さえるとCの音になる
カポを装着しない状態から、3フレット分すすんだ箇所にカポを装着することによって、開放弦すべての音程が上がることになり、フォームは「D」ですが実際に押さえている場所は3フレット進んだ場所ですので、D→D♯→E→Fとなります。慣れるまでは戸惑ってしまうかもしれませんが、弦のチューニングは変えないかわりに「開放弦の場所を変える」と意識すると整理しやすいかもしれません。
「難しいことは後回し、出来る形で簡単に弾いて、気がついたらなんか弾けた」
これ、ギター練習の鉄則だと思います。
2023年 おすすめカポタスト カタログ
バネ式、ネジ式、ゴム式、レバー式それぞれのおすすめカポタストいくつかご紹介いたします。
おすすめのバネ式 / クリップ式カポタスト
G7th the Nashville Capo
- 6弦フォーク用
- アルミ合金とシリコンラバーを採用
- エルゴノミックデザインを踏襲
- あいみょんの使用でもお馴染み
Kyser Fender Classic Color Quick-Change Electric Capo
- 6弦エレキギター用
- フェンダーとのコラボモデル
- バネ式カポの定番ブランド
Morris イーグルカポ
- 指板幅 約50mm まで対応
- タイトなスプリングでガッチリホールド
おすすめのネジ式 / スクリュー式カポタスト
SHUBB C1
- アコギ用
- 比較的Rのゆるやかなエレキにも対応
- ネジ式カポの定番モデル
Jim Dunlop Pivot Capo
- 様々なネックシェイプに対応するセルフセンタリング機構
- 精確な圧力で素早くダイヤルできる低抵抗ギア
Planet Waves NS Capo Pro
- エレキ/アコギ用
- マイクロメータースクリューによる正確な押弦
- NED STEINBERGER氏による特許申請デザイン
おすすめのベルト式 /ひも式カポタスト
Jim Dunlop Elastic Regular Capo 70F Flat
- クラシックギター用
- 軽量
DUNLOP TOGGLE CAPO/14C Curved
- アコギ/エレキ用
- カーブド指板用
- 薄くコンパクトなので演奏の邪魔にならない
D’Andrea Traditional Capo
- アコギ用
- ゴム製カポ
おすすめのレバー式 / ギア式カポタスト
G7th Performance 3 ART Capo ブラック
- 6弦ギター用
- ART機構により最適な形状へと柔軟に変化
- 最小限の圧力で弦を抑える事が可能
G7th Performance 3 ART Capo シルバー
- 6弦ギター用
- ART機構により最適な形状へと柔軟に変化
- 最小限の圧力で弦を抑える事が可能
G7TH PERFORMANCE2 CAPO CLASSIC
- クラシックギター用
- 片手での素早い脱着が可能
- 重量は53グラムと軽量
さいごに
カポはシンプルな使用方法ながら、用途はギタリストの数だけ存在します。
初心者にとってはコードフォームが簡単に押さえられ、弾き語りで歌いやすくしたい場合はキーを変えることもできて、ひとつ持っておくと便利なアイテムです。「ギターを始めたばかりでコードを押さえるのが苦手」、「弾き語りのキーが合わなくて歌いづらい」と感じているギタリストは、購入を検討してみてくださいね!
色々探せる、chuya-onlineのカポタストの一覧はこちら。
カポタストは、バネ式(クリップ式)、ネジ式、ベルト&ひも式、レバー式の4種類が一般的です。
Kyser、G7TH the Nashville、DUNLOP TRIGGER CAPO、MORRIS イーグルカポなどがおすすめです。
SHUBB、DUNLOP PIVOT CAPO、MORRIS DUAL SIDE CAPO、Planet Waves NS Capo Proなどがおすすめです。
DUNLOPの「TOGGLE CAPO」や「ELASTIC CAPO」などがおすすめです。
G7thの「Performanceシリーズ」や「NEWPORT CAPO」などがおすすめです。