怖くない! 難しくない! チューニングの基本とコツを教えます!
初心者の中には「チューニングが苦手」という方も少なくないようです。
「弦を切りそうで怖い」「音が合っているのかわからない」など、慣れていないと不安もありますよね!
でも大丈夫! コツを覚えればチューニングはとても簡単ですし、正確なチューニングはあなたの音楽生活を豊かにしてくれます!
今回は、ギター(アコースティック・エレクトリック共通)のチューニングの基本とコツについて説明します。
そしてぜひ動画もチェックしてみてください。
「チューニング」とは?
楽器の音程をより美しく響くよう合わせる作業を「チューニング」といいます。
ギター、ベース、ウクレレなどの弦楽器のチューニングは、ペグを回して弦の張り具合を調整して音程を定めていきます。
チューニングは奥が深く、よりこだわったチューニングの仕方を説明すると、それだけで一冊の本ができるのではないか、というくらい情報が多いのですが、ここでは初心者の方が楽器を楽しむために最もシンプルな「レギュラーチューニング」について説明をします。
レギュラーチューニングとは
レギュラーチューニングは、次のように音程を合わせます。1番太い弦が6弦、1番細い弦が1弦です。各弦、開放弦(左手で弦を押さえていない状態)の音を合わせていきます。
《ギターのレギュラーチューニング》
6弦 | E(ミ) |
5弦 | A(ラ) |
4弦 | D(レ) |
3弦 | G(ソ) |
2弦 | B(シ) |
1弦 | E(ミ) ※6弦のミより2オクターブ上です |
どの弦がなんという音程かは、あなたがギターを弾くかぎり一生必要となる知識です。
それほど複雑ではありませんので丸暗記して覚えてしまうことをお勧めします。
チューニングのコツ
チューニングには大事な要素がたくさんありますが、ここでは5つに絞って話を進めます。
その1〜毎回チューニングしよう
コツその1は「ギターを弾く前に毎回チューニングをすること!」です。
ギターという楽器は、部屋に置いておくだけでも温度や湿度の影響をうけて微妙にチューニングが変化します。
学校やスタジオに持っていけば移動中の振動も加わり、チューニングが変わってしまう可能性が高くなります。
少しずつ音程が悪くなっているギターを気づかずに弾いていると、いつまでたっても音感が向上せずに、ギターも上手くなりません。
「前の晩に練習するときにチューニングしたから」
「部室に来る前に家でチューニングしたから」
ではなく、その日、その場で弾く前にチューニングする癖をつけましょう!
その2〜必ずチューナーを使ってチューニングしよう
チューニングはチューナーを使うと簡単かつ正確に行えます。
チューナーの良いところは、聴覚に頼らざるを得ないチューニングを、視覚的に確認できる点です。
将来的には耳でも判断できるようにしたいところですが、初心者はチューナーを使って視覚・聴覚の両面から正しい音を身体に覚えさせることの方が大切です。
ぜひチューナーを使ってチューニングするクセをつけてください。
ギター用のチューナーには、ラック型、ペダル型、クリップ型、それに最近ではスマホのチューナーアプリなど、さまざまなタイプがあります。
それぞれに一長一短あり、用途によって選ぶのがベストですが初心者にお勧めしたいのはクリップチューナーです。
これは洗濯バサミのようなクリップをギターのヘッドに挟み、電源を入れるとすぐにチューニングできるというものです。
私がクリップチューナーをお勧めする理由は、次のとおりです。
- 比較的安価
- 場所を取らず、移動も楽
- チューニング精度や反応も及第点
- アンプラグドで使えるので、アコースティック楽器にもすぐに使える
クリップチューナーの良くないところは、次の点くらいでしょうか?
- よく無くす……汗
私は大量にクリップチューナーを買って対処しております……笑
スマホアプリでもチューニングできますが、私の経験では精度や反応の仕方にムラがあるものが多かった記憶があります。
スマホは練習風景を録画して技術の向上に使ったり配信したりするために最適なツールなので、それ用に使い、チューナーは専用機に任せた方が良いという考えから、私はクリップチューナー推しです!!
今回は「Flanger FT-12C」というモデルを使いました。
見やすく、使いやすく、低価格で、定番チューナーの一つと言って良いと思います。
その3〜音程は低いところから上げて合わせよう
実際にチューニングしていきましょう。
クリップチューナーをギターのヘッドに挟み、電源をオンにします。
今時のチューナーは優秀ですから、チューニングの際の基準をA=440Hzにするか、441Hz、442Hzなどの設定もできますが、初心者の方は出荷時の仕様(おそらくほとんどのモデルはA=440Hzのはずです)でそのまま使ってください。
始めに6弦の開放(何も押さえない状態)を弾きチューナーが反応するのを確かめます。
このとき他の弦の音が鳴らないように注意してください!
複数の音が鳴るとチューニングしたい弦の音を正しく読み込めないチューナーが多いためです。
チューナーが「E」を表示し、ディスプレイの中央が青く表示されるまで、左手でペグを回して音程を上げていってください。
うまくEが表示され、中央で青い針(電飾ですが)が止まりましたか?
もし行きすぎてしまったら、弦を緩めて再度音程を上げながら合わせていってください!
チューニングはペグのポストに弦を巻き付けていく性質上、音程を下げて合わせる(緩める)より上げて合わせる(張る)方が安定しやすいのです。
チューニングは、上げて合わせるクセをつけてください!
ペグは、6弦から4弦は反時計回りに、3弦から1弦は時計回りに回すと音程が上がります(ストラトキャスター、テレキャスターなどヘッドの片側に全てのペグがある場合は、全て反時計回りで音程が上がります。)
「上げて合わせる……。文章だとちょっと意味が分かりにくい」という方は、ぜひこの後の動画で確認してみてくださいね!
その4〜チューナーの動きが不安定な時は?
チューニングをしていても、チューナーの動きが安定しないことがあります。
弾き手の原因として、弾く力が強すぎたり、他の音が混じっていたりすると、チューナーの動きに揺れが生じることがあります。
ギターの弦が古すぎる場合もこうしたことが起こります。
新しい弦に交換してみましょう。
また意外と多いのが電池が古いケース。
「割と最近買ったチューナーなのに……」という場合でも、そもそも付属の電池は動作確認用やお試し用のものだったり、チューナーの店頭在庫期間が長かったりで、必ずしも新品の電池がついているとは限らないのです。
思い切って電池を交換すると「早く替えればよかった!」と思うほど快適に動くことがあります。
それでも6弦のように低い音程はチューナーの動きが鈍い場合があります。
そんな時は12フレット、あるいは5フレットのハーモニックス(動画中でも説明しています!)でチューニングしてみてください! きっとチューナーの動きも安定するはずです。
12フレットのハーモニックスの出し方は、左手の好きな指を12フレットの真上(指板の真上ではなく、フレットの棒の真上)に指を軽く置き(触れるだけです。押さえません)、右手で弦を弾きます。この辺りも分かりにくければ動画で確認してください!
その5〜チューニングは1回やって終わりじゃない
6弦から1弦まで、チューニングが終わりましたか?
ではもう一度、6弦から1弦までチューニングをしてください。これを1セットとして最低でも3回は繰り返してみてください!
だいぶチューニングが落ち着いてきたのではないかと思います。よく一度チューニングしただけですぐに弾き始めてしまう人がいますが、それでは安定したピッチ(音程)は望めません。
弦が新しい場合や、フェンダー・ストラトキャスターのようにブリッジが可動するギターの場合、3回繰り返しても、まだ足りないこともあります。
3回、5回と慎重にチューニングを繰り返し、少し弾いても乱れないよう根気良くチューニングしてください。
逆に、10回以上チューニングを繰り返しても全く良くなる感触がなければ、弦の張り方の失敗、弦の不良、ギターの調整不足など他の問題がある可能性が高いです。
もう一度弦を張り替え、チューニングし直して問題が改善されなければ、ギターを購入したお店かリペア専門店に相談してみると良いでしょう。
まとめ まだまだ深いチューニングの世界
チューニングが整ったギターを弾くと、とても気持ちがいいものです。
今回はチューニングの基本中の基本、レギュラーチューニングについてご説明しました。
開放弦を合わせるだけの初めの一歩です。
ペグを違う方向に回してしまった、弦を切っちゃった、そんな失敗は誰にでもありますが、良いチューニング習慣を身につける大切さに比べたら、そんな失敗はどうって事はありません!
弦が切れたら張り直す、音がずれたら直せばいいだけ!
恐れずにチューニングを楽しんでください!
ギターのチューニングは押弦するとまた微妙に響きが変わります。
そこでいかにバランスを取るか。これについてもいろいろとノウハウがあるのですが、情報量が増えすぎてしまいますので、今回は入門編という事でここまでにしておきますね。
さらに、ギターやベースにはオープンチューニングやダウンチューニングなど、さまざまなチューニングの種類もあります。まだまだ深いチューニングの世界を楽しんでいきましょう!
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