プロDJがPioneer DJ製モニタースピーカーをチェック!! 前編
DJにとって重要な機材といえばターンテーブルやDJコントローラーが筆頭として挙げられます。
Pioneer DJ(パイオニアDJ)はワールドスタンダードなブランドとして、世界中のDJからの支持を得て、市場で絶大なシェアを集めています。
そんなPioneer DJから重要な音の出口であるモニタースピーカーがリリースされているのをご存知でしたか?
前編となる今回はPioneer DJ製アクティブモニタースピーカーの全機種をプロのDJがレビューしました。
北九州市小倉で活躍するDJ KID氏に全機種レビューを依頼!
今回のモニタースピーカー全機種レビューに協力していただいたDJ KID氏、日頃よりPioneer DJ DM-40BTを使用しているということで、他のモデルとの比較には最適な存在です。レビュー開始の前にちょっとインタビューしてみました。
PROFILE
DJ KID氏
北九州市小倉を中心に活動する若きDJ。
自宅ではPioneer DJ製のDM-40BTを使用しており今回の全機種レビューに適任。
Instagram:https://www.instagram.com/dj_kid_n9s/
──── KIDさんのDJのスタイルなどについてお聞きしたいのですが、偶然にもDM-40BTを自宅でお使いなのですね。
はい、自分は既存の曲を会場やシチュエーションに合わせてプレイリストを作り込んでいくスタイルです。
DM-40BTを使う以前はもっと小さいスピーカーで曲を並べていたのですが、曲によって低域の質がぜんぜん違っていました。
現場で曲が変わった途端に「アレ?」ってくらいスカスカになることが多かったんですよね。低域の質感というか量感の違いがモニタリングできていなかった時期もありました。
Pioneer DJ製のDM-40BTを導入してから、そういうこともなくプレイリストのクオリティも上がり、とても重宝しています。
──── 低域が“見えていない”時期があったのですね。
そうですね、DM-40BT導入前に先輩から大きなスピーカーを貸していただく機会もあって「機材って大事だな」と痛感しましたね。
──── 数あるモニタースピーカーの中から、DM-40BTを選んだ理由ってどんなところですか?
やはり他の機材もPioneer DJ製でしたし揃えたいという気持ちが大きかったですね。DJとしての立場から見たブランドイメージは大きいです。
音の出口もPioneer DJ製のスピーカーで固めたいという気分のところも重要だと思うんですよ。それとDJ機材はそれほど新製品が頻繁に登場して買い換えるって感じではないので長く付き合っていくイメージが強いです。
最近、これからDJをはじめたい後輩の相談にのることも増えて、ターンテーブルなどの機材含めてPioneer DJ製を勧めます。
レビュースタート!! 結果の前に全機種紹介
レビューはKID氏のミックスデータを持ち込んでもらい、チューヤオンライン本社の会議室にて行いました。
DMシリーズとVMシリーズの計5機種を2回に分けて、それぞれの出音を聴いてもらいました。結果をお伝えする前に、全モニタースピーカーの紹介をしていきます。
(1)DM-40BT
SPEC:トゥイーター・3/4インチソフトドームトゥイーター、ウーファー・4インチグラスファイバーウーファー、アンプ出力・21W/4Ω(Class A/Bアンプ)、本体質量・2.7 kg(Left ch)2.2 kg(Right ch)
(2)DM-50D
SPEC:トゥイーター・3/4インチソフトドームトゥイーター、ウーファー・5インチグラスファイバーコーン、アンプ出力・25W/4Ω(Class A/Bアンプ)、本体質量・3.9 kg(Left ch)3.7 kg(Right ch)
(3)VM-50
SPEC:トゥイーター・1インチソフトドームトゥイーター、ウーファー・5.25インチコーン、アンプ出力・30W/4Ω(Class A/Bアンプ)、再生周波数帯域:40〜36000 Hz、本体質量・5.5 kg(1本)、DSP搭載
(4)VM-70
SPEC:トゥイーター・1インチソフトドームトゥイーター、ウーファー・6.5インチコーン、アンプ出力・LF: 70 W / 4 Ω、HF: 30 W / 4 Ω(Class Dアンプ)、再生周波数帯域:37〜30000 Hz、本体質量・7.7 kg(1本)、DSP搭載
(5)VM-80
SPEC:トゥイーター・1インチソフトドームトゥイーター、ウーファー・8インチコーン、アンプ出力・LF: 90 W / 4 Ω、HF: 30 W / 4 Ω(Class Dアンプ)、再生周波数帯域:34〜36000 Hz、本体質量・9.7 kg(1本)、DSP搭載
DM-40BT | DM-50D | VM-50 | VM-70 | VM-80 | |
---|---|---|---|---|---|
カラー | ブラック/ホワイト | ブラック/ホワイト | ブラック/ホワイト | ブラック | ブラック |
本数 | 2本(左右ペア) | 2本(左右ペア) | 1本 | 1本 | 1本 |
トゥイーター | 3/4インチソフトドーム | 3/4インチソフトドーム | 1インチソフトドーム | 1インチソフトドーム | 1インチソフトドーム |
ウーファー | 4インチグラスファイバーウーファー | 5インチグラスファイバーコーン | 5.25インチコーン | 6.5インチコーン | 8インチコーン |
アンプ出力 | 21W/4Ω(Class A/Bアンプ) | 25W/4Ω(Class A/Bアンプ) | 30W/4Ω(Class A/Bアンプ) | LF: 70 W / 4 Ω、HF: 30 W / 4 Ω(Class Dアンプ) | LF: 90 W / 4 Ω、HF: 30 W / 4 Ω(Class Dアンプ) |
本体質量 | 左:2.7 kg / 右2.2 kg | 左:3.9 kg / 右3.7 kg | 5.5 kg(1本) | 7.7 kg(1本) | 9.7 kg(1本) |
DSP搭載 | × | × | ○ | ○ | ○ |
Bluetooth搭載 | ○ | × | × | × | × |
Pioneer DJ モニタースピーカー スペック比較
Pioneer DJモニタースピーカーシリーズの特徴
全てのスピーカー共通の仕様として、パワフルなパワーアンプ内蔵のパワードモニターということで、パワーアンプを別に用意する必要がなくスッキリとした配置が可能となっています。バスレフをフロント(DM)、リア(VM)とそれぞれにデザインし、様々な部屋の広さや幅広いリスニングスタイルに対応しています。
VMシリーズには高域と低域それぞれ4段階に調節可能なDSPコントロールを装備。部屋の広さや音楽制作のシチュエーションに合わせたサウンドを放出します。
小型のDMシリーズには、フロントにヘッドフォン端子を装備し、スピーカーとヘッドフォンを容易に変更可能です。ヘッドフォン端子使用時はスピーカーが自動でミュートになります。
今回のシリーズを共通して、入力端子の豊富さが挙げられます。RCAやTRSといった幅広い種類の端子をもったケーブルが使用できる懐の広さも特徴です。
さて、レビューの結果は?
──── お疲れさまでした! 全てのスピーカーを一挙に聞いていただきましたが、いかがでしたか?
こうして比較できると違いがわかりやすいですね!
サイズが大きくなるにしたがい、低域の聴き取りやすさが全然違いました。今は自宅でDM-40BTが基準になっていますが、より大きなサイズのDM-50やVM-50との違いもハッキリわかって、DM-40BTより大きなものを導入したくなりました。
──── ステップアップしたくなったと。VM-50をずっと聴いていましたね。
今の自分の環境でも使えそうだな、と。それ以上だとうるさくなっちゃう感じがします。書斎くらいのスペースで練習しているので、VM-70以上だと逆に大きすぎるかなと。
──── 自分のDJスタイルとして、音楽ジャンルはどのあたりなんですか? 始めた頃から機材が便利になった実感とかはありますか?
自分はR&Bやヒップホップを専門に扱っています。
DJをはじめた7、8年前はDJミキサーにオーディオインターフェイス機能が内蔵されていなかったですね。RANE SL4」だけでも7〜8万円もしていましたし。
Pioneer DJから「DJM-S9(スクラッチ系DJミキサーの名機。現在はDJM-S11、 DJM-S7を後継として生産完了)」が登場して感動しましたね。
今はPCごと会場に持っていって直接そこのPAにつなげることがほとんどです。ここ2〜3年ではじめた人は最初からそれがあるのでラクだと思います。
──── DJをはじめた当時からモニタースピーカーを使っていましたか?
いいえ、安いヘッドフォンと安いスピーカーを使っていて、当時はとにかく音が出れば嬉しかったです。
──── 今日のレビューは、今使っているスピーカーと比較ができましたね。
すごくありがたいです。こういう機会はなかなかないですからね。
──── もしVM-70やVM-80を使うとしたら、どんな場面が思い浮かびますか?
最近は音響設備が整っていないクラブ以外でのDJもあって。そこでのパーティー需要もかなり多いですのでVM-70やVM-80はピッタリだと思いました。
お店の人から「スピーカーってどうしたら良いですか?」って聞かれることもあります。音響設備が整っていないお店も多くて、お酒はあるけど音響機器まで揃っていないという。
前に、とあるパーティーで全然スピーカーの低音が出ていなかった時があって「音が良くないとこんなに場が盛り下がるのか」と痛感しました。もしVM-80を所有していたら出張セット的なお仕事もできそうです。
──── 今回のレビューで気付いたことはありますか?
普段のDM-40と次のDM-50Dを聴き比べただけでも、普段聞こえていない音があるなと実感できました。
もちろん自宅でDM-40を使用してまったく過不足はありませんし、仕事に支障はありません。ただクラス上のスピーカーになると、よりリッチに聞こえるので、純粋に聴いていて楽しいですし、より正確なモニタリングができます。
──── 職業的にさまざまな音楽を聴かれているので、より理解度が深まりますよね。最後にKIDさんのこれからの目標を教えていただけますか?
なにより小倉は音楽に関して耳が肥えている人が多くシビアだと思います。クラブにもよりますけどね。90年代のヒップホップとかも良く聴いて勉強しています。
目標としてはイベントに呼ばれるDJの中で最初に声がかかるようになりたいです。「アイツがいればこのイベントが盛り上がるよね」と言ってもらえるような存在になれるよう頑張っています。
小倉は精神的にも鍛えられるエリアでもあるのでやりがいはスゴいですね。
──── ありがとうございました!
今回のまとめ
DJという職業ならではのレビューとなり、参考になる読者も多かったのではないでしょうか。
機種ごとに魅力があり、自分の環境にベストマッチするモデルが選べることがPioneer DJ製のパワードモニターラインナップの特徴だと感じました。
これまでイヤフォンやヘッドフォンでモニタリングしてきた人も、これを機にモニター環境を揃えてみるのを検討してみてはいかがでしょうか?
続いて後編ではチューヤオンラインのスタッフによるレビューをお送りいたしますので、こちらもお楽しみに!!
後編はバンドマン視点でレビュー!
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視聴に使用したものとなりますので開封痕や若干の使用感などがございます。あらかじめご了承ください。
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(編集&撮影 赤坂太一)