ローステッドネックって実際どうなの? 井戸沼尚也の「ゆるゆるchousa-online」vol.3

ローステッドネックッて実際どうなの?
同じギターのネックを差し替えてその実力をチェック!

機材好きならご存知、「元地下実験室 室長」の肩書をもつ男・井戸沼尚也が、Discover上で気になる機材や演奏のアレコレをゆるっと調査するコーナー「ゆるゆるchousa-online」!

第3回のテーマは「 ローステッド・ネックって実際どうなの?」です。

3回目は「ゆるっと」じゃない?

最近、各メーカーから「ローステッド・ネック」(以下、ローステッド)のギターが続々登場していますよね! 
 呼び方はメーカーによっても違うようですが、要はネック材に特殊な熱処理を加えて、乾燥の度合いをコントロールし鳴りを良くするというもののようです。

ローステッドメイプルネックと普通のメイプルネック
上の茶色いのがローステッドメイプル、下の白っぽいのが普通のメイプルです

ネックは箱に入ってやってきます

ユーザーからの「もっと鳴るネックを」という要望がある一方で、メーカーにとっても乾燥時間をコントロールできるというメリットがあるようで、そういう話を聞くと気になってきますね。果たしてローステッドは良いことずくめの魔法のネックなのか!?

幸い、フェンダーが純正の交換用パーツとしてローステッドネックを販売しています。こちらを使って、差し替え調査をしてみました!

フェンダーのローステッドメイプルネックが入った箱
立派な箱に入っているローステッドネック
フェンダーのローステッドメイプルネックが入った箱を開封した
※実際は梱包材に包まれています

フェンダー・エスクワイヤーを使ってchousa!

そもそもボディの違う「別個体2本」で聴き比べても全く意味がないですよね。

そこで、今回の「ゆるゆるchousa-online」では、同じ個体のギターを使ってネックだけを差し替えて調査します! 今回はあまりゆるくないです(笑)!

フェンダー・エスクワイヤーのネックを外した状態
使用する個体はメキシコ製のフェンダー・エスクワイヤー。
フェンダー・エスクワイヤーにローステッドメイプルネックを取り付ける
ネックもメキシコ製でして、問題なく移植できました!

ペグは自分で移植する必要アリ

フェンダーの交換用ローステッドネックには、“ナット”と“フレット”が付いています。

ペグを移植すれば弦を張れます。DIYが得意な人やある程度自分でメンテナンスができる方であれば、好みのネックの仕込みやナットの溝などを追求してみるのも良いかもしれません(あくまで自己責任ですが)。

※フェンダー純正のリプレイスメントネックはナットスロットをカットする必要があります。フレット加工、ネックポケットへのネックの取り付け、その他の楽器のセットアップなど、その他の取り付け作業が必要になる場合があります。



ローステッドメイプルネックにペグを取り付ける
ペグだけは、元のネックから移植しないと使えません

無事、交換作業が終わりました。では早速サウンドがどうなっているのか、調査開始! 使用機材は、フェンダー・エスクワイヤー(ネック2本)、VEMURAMのJan Ray(ペダル)、マッチレス・スピットファイヤー(アンプ)です。

では聴き比べてみましょう!

それでは動画をご覧ください! 今回はクイズ形式です!(笑) 動画の途中、小グマの画像の後で一時停止してくださいね!

井戸沼尚也の「ゆるゆるchousa-online」vol.3〜ローステッド・ネックって実際どうなの?

ここで、クイズです。
A 最初の(うさぎっぽい)子豚のぬいぐるみの画像で流れる音は、メイプル? それともローステッドメイプル?
B こぐまのぬいぐるみの画像で流れる音は、メイプル? それともローステッドメイプル?

答えの前にヒントを!
●動画中のタッピング時に高音が出ていたのは? コード弾きのトップの音(1弦の音)に注意して聴くと分かりやすいかも。
●ぬいぐるみ、茶色いのはどっち?(笑)

さて、正解は……。

A 普通のメイプル・ネック!
B ローステッドメイプルネック!
でした!!

……ぼんやり聴いていると、かなり分かりにくいと思います。できるだけ良い環境で高域に注意して聴いてください。より煌びやかで解像度が高いのがローステッドです。

実際に演奏すると、動画を見るよりも何倍も違いを感じます。動画で違いがわかり、なおかつ好印象という人は絶対にローステッド、オススメです!! 素晴らしいですよ! 

一般的なメンテナンスを自分で行えれば、そう難しくはない作業ですし(自信の無い方はお近くの楽器店に相談してくださいね!)、何しろネック単体で販売されているということにも、ちょっと驚きました。ペグとジョイント部の作業だけ、とシンプルなのも良いですね!

ただしサウンドに関しては好みの問題がありますので、普通のメイプルもローミッドあたりの押し出しが良く、クラシック・ロックには合いそうですし、お好みで選べばよいかと思います。

まとめ

・ローステッドは高域が煌びやかで解像度が高い
・気に入ったら買い!
・違いがわからなければそれもよし! 普通のネックを愛でよう!

それでは、次回のゆるゆるchousa-onlineも、お楽しみにー!

(執筆&撮影:井戸沼尚也 編集&撮影:赤坂太一

ローステッドネック交換用パーツの販売用在庫状況について(chuya-onlineより)

フェンダーのネックパーツですがこちらは本来フェンダーさんへの受注生産となってます。chuya-onlineではショップで独自にフェンダーさんに発注し極力販売用のストックを持てるようにしていますが、発注から入荷まで時間がかかり且つ入荷したものはすぐに売れてしまいますので品切れ表示になっている事が多いです。

購入ページに表示されているものは基本的にフェンダーさんへの販売用のバックオーダーがかかっているものですので、納期を知りたい場合は各購入ページの問い合わせボタンよりお問い合わせください。

入荷した販売用ネックは随時購入ページのカートがオープンしますので気になるネックがありましたら定期的にチェックする事をお勧めします。またカートがオープンしている(在庫がある)場合はお早めの購入をお勧めします。

今回、井戸沼さんにレポート頂いたように、ローステッドネック、大変魅力的なネックです。

ぜひ、ご検討いただいて、お手持ちのギターに取り付けてみてください。

よろしくお願い致します。

chuya-online フェンダーバイヤー 高尾

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