井戸沼尚也の「ゆるゆるchousa-online」vol.5〜低価格帯オーバードライブって実際どうなの?
機材好きならご存知、「元地下実験室 室長」の肩書をもつ男・井戸沼尚也が、Discover上で気になる機材や演奏のアレコレをゆるっと調査するコーナー「ゆるゆるchousa-online」!
第5回のテーマは「低価格のオーバードライブって実際どうなの?」です。
お金は大事だよね
どうも皆さん井戸沼です。前回に引き続き、顔を出さないスタイルでやっていきます(特に意味はありません!)。
オリンピック関連のニュースを見ていると、やれ「●●●に何百億円使った」それ「▲▲▲は何千億円だ」とか景気のいい話(?)が聞こえてきて、「お金っていうのは、あるところにはあるんだなぁ」と思ったりもしますが、日々暮らしていると、正直「ないところにはない」という感覚の方が強いです(笑・汗・涙)。
それじゃあまあ、この「ゆるゆるchousa-online」でチェックしてみるか! というのが今回の主旨です。
機種は、みんな大好きオーバードライブということで、以下のモデルを選定しました。
低価格帯オーバードライブ、今回はこれらをチェック!
今回チェックしたペダルたちはコチラ!
- RevoL effects EOD-02 BREAKER(3,390円)
- Effects Bakery Bagel OverDrive(4,532円)
- Mooer Hustle Drive(6,499円)
- JOYO R-01 TAUREN(6,980円)
- Animals Pedal Surfing Bear Overdrive(11,880円)
※価格は2021年7月末日現在のチューヤオンラインの価格です。価格は変動しますので、ご購入時は最新の価格情報をご確認ください
試奏は、フェンダー・ストラトキャスターを使いセンター・ピックアップから弾き始めています。アンプはマッチレスの「Spitfire」で、各ペダルにほんのわずかにリバーブを加え、スピーカー前でマイク録りをして、PCのガレージバンドに突っ込んだだけの音です。
それでは、一台ずつチェックしていきましょう!
RevoL effects EOD-02 BREAKER
まずは最安値の一台から! しばらく弾いてみてムムムと唸ってしまいました。
これ、価格は初心者に優しいのですが音はベテラン向けです。非常にロー・ゲインの、玄人好みのペダルという印象でして、初心者の方がとりあえず歪みを一台という感じで買ってしまうと「あれ、歪まない?」ということになりそうです。
ネーミング、ゲインやアタックの感じから察するに、おそらく元ネタはマーシャルのブルースブレイカーかと思われます。ブルースブレイカーの予備機を探しているという方にオススメします。
Effects Bakery Bagel OverDrive
5,000円でお釣りがくる価格ですが、こちらは弾き手に優しいペダルです。
コンプレッションが強く、弾き心地がとてもいいですね! いわゆる“おまけしてくれるペダル”です。筐体は小さいのですが、ノブは大きく扱いやすいですし、デザインもとても可愛いですね! これは、よくできています。
おそらく元ネタはTS(チューブスクリーマー)。誰にでもオススメできますが、特にストラト・プレイヤーには強くオススメできます。これは私も欲しい(笑)。
Mooer Hustle Drive
これは今回試奏した中で、もっともハイゲインな1台。
ディストーション的な歪みまでいけます。後ほど出てくる試奏動画では、あえて「DRIVE」をマックスまで上げ、その辺りを強調してみました。ゴリっとした歪みの質感が、わかると思います。
これの元ネタは、ほぼ間違いなくフルトーンの「OCD」でしょう。音質はもちろん、HP/LPのミニ・スイッチにも元ネタの影が見えます。自分の環境では、LPの方が気持ちよかったですね。
他のペダルが比較的どれも渋いので、若い方に一台オススメするならコレです!
JOYO R-01 TAUREN
これはKlon 「ケンタウルス」にインスパイアされたものでしょう。
今やケンタウルスは、中古市場で状態によっては100万円ほどしますから、7,000円でお釣りがくるケンタ・インスパイアとはある意味、非常にチャレンジングなモデルと言えるでしょう。
ケンタと比べてどうかというと、うーん、そうですね、ケンタの香りはかすかにします(笑)。あとで動画を見る時に、低音の巻き弦のニュアンスに注意して聞いていただくと、言っている意味が伝わるかと思います。心なしかバイパス音に張りがあるところも泣かせます。
あまり褒めていない感じですが、100万円のものと7,000円弱のものを比べても意味がありません。低価格オーバードライブというカテゴリーの中で、上品な歪みのモデルを探しているという人には、十分オススメできるモデルですよ!
Animals Pedal Surfing Bear Overdrive
今回のラインナップ中、唯一の一万円オーバーのモデルです。
手にした感じに重みがあり、高級モデル(?)の貫禄があります。
ポイントは、やはりデザイン性かと思います。オーストラリアで活動するサーフアート画家が描いたというイラストはとても可愛いですし、フットスイッチの位置などもよく考えられています。
音に関しては素直なTS系で、価格に見合った音になっていますからデザインが気に入ったら即買う、というのもアリだと思います。
いよいよ音出し!(動画でチェック)
ということでお待たせいたしました! 5機種の実際のサウンドを、動画でチェックしてみてください〜!
いかがでしたか、好みのモデルはありましたか?
個人的にはEffects BakeryとMooerを推しますが、完全に好みの問題ですからお好きなものを探してみてください。
動画の中でも言っていますが、この価格帯のモデルには、だいたい何らかの元ネタがあります。それが良いことか/悪いことかというと、難しい問題がありますが、開発費を抑えているからこそ価格も抑えられているという一面は否定できません。
とりあえず買い物をする上では、元ネタを調べて買うと失敗がないように思います。例えば、深い歪みが欲しいのに、安いからという理由だけでRevoL effects 「EOD-02 BREAKER」を買ってしまうと、やはり違うということになりかねません。もう少しお金を足して、歪みの深いモデルを買いましょう。
たとえ3,000円でも4,000円でも、お金は慎重に使いたいですもんね。
まとめ
- 一口に低価格帯のモデルと言っても、出音は千差万別
- 値段だけで決めるのではなく、元ネタやその背景を調べて買うと失敗がない
- 先入観が無い場合は、純粋にそのサウンドとデザインで買うのもアリ!
それでは、次回のゆるゆるchousa-onlineも、お楽しみにー!
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